学校に行きたくなかった中学時代~私がHSPと向き合うまで

こんにちは、2023年の9月からカナダのバンクーバーに留学中のMomoです。
世の中にはたくさんの人がいて、人それぞれの個性や性格がありますが、みなさんはHSP気質、通称“繊細さん”と呼ばれる気質を持った人たちがいることを知っていますか?
「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ」 の著者でアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロンの調査では、5人に1人がHSPなんだとか。性別や人種、年齢などの要素に左右されないと考えられている一方で、日本人はその国民性から「HSP」の割合が高いという指摘もあるようです。
かくいう私もHSP気質を持つひとりで、これまで何度このことに悩まされたか分かりません。今回はそんなHSPについて。私と同じ繊細さんたちが、この記事を読んで少しでも心を軽く日々を過ごせたら嬉しく思います。
これってHSP?繊細さんの特徴とは
まずはHSP気質ってなんだろう?という話から。そもそも”HSP”とはHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、その名の通り感受性が非常に強く、敏感な気質を持った人のことです。敏感で繊細だという理由から、HSP気質を持つ人たちのことを“繊細さん”と呼んだりもします。
ちなみに子どもの場合はHighly Sensitive Child(ハイリー・センシティブ・チャイルド)を略してHSCと呼ばれます。
HSPという名前だけ聞けば何かの病気かと思われても仕方がなさそうですが、HSPは病気ではなくあくまで“気質”。簡単に言えば性格の一部です。
そんなHSPの、代表的な特徴をご紹介します。
- 周りの人に「内気」だと言われることが多い
- 物事を深く考えすぎる
- 心が疲れやすい
- 自己否定が強い
- 不安になりやすい
- 光や音、匂いに敏感
- 感受性がとても強い
- 相手の感情や周りの雰囲気に影響を受けやすい
もちろんHSPの重さは様々ですし、このほかにも沢山の項目があります。
もし「自分もHSPなのかな?」と気になる方は、インターネットで【HSP診断テスト】などと調べていただければ、無料で簡易的な診断を受けることができます。
私のHSPエピソード
私がHSPであることを自覚したのは、中学3年生の時でした。心が脆すぎる自分に不安を抱き、ネットで調べたところに見つけたのがHSPだったのです。その特徴がほとんど自分に当てはまっていて「あぁ自分はこれだったんだ」と納得しました。
過去を振り返って、私のHSPエピソードをご紹介します。
小学校
ささいな事で少し先生に叱られた時、周りの子たちがヘラヘラしてる中、今にも溢れそうな涙を堪えるのに精一杯。なんでこんなことで泣きそうなんだろう?と不思議だった。
中学校
・特別な理由もなく「学校に行きたくない」と強く思った入学式翌日
・教室に入ると酷い頭痛。痛みに耐えられず早退することも多く、その下校中に嘔吐してしまったことも。
アルバイト
・些細なミスで落ち込む。帰り道では涙が溢れ、家に帰れば大反省会。
・バイト先で定期的に行われる個人面談にて、うまく言葉が出せず過呼吸に。
対人関係
・相手に自分がどう写っているのか気になりすぎて、人前では素を出せない。
・注目されると声が震える。
「その他」
・香水や柔軟剤の匂いに敏感。(数分つづくと頭痛が発症)
・ちょっとした大きめの生活音にとても驚く。
これらを見ると、私がHSPの特徴にとてもよく当てはまっているのが分かりますよね。
「学校に行きたくない」HSPとの関係は?
中学生の頃、私は学校がとても苦手でした。朝登校して教室に入ると、途端に酷い頭痛が始まり、午前中には早退…なんてことがよくありました。
お友達がいないわけでも、いじめられていたわけでもなく、特別嫌いな授業があるわけでもないのです。
学校へ行かれないのは気持ちの問題?!
私は“ただの学校嫌い”なんだと、最初はそう思っていました。そして母も。「行きたくない」と言えば「気持ちの問題だ」と言われ、渋々学校へ向かうものの、やっぱり頭が痛くなり早退。
当時はそんな弱い自分がとても嫌いで、周りの子のように当たり前に学校生活を送れない自分を責めてばかりいました。
「学校に行きたくない」こととHSPは一見関係のないように思えますが、私が教室に入るとわけもなく起こると思っていた頭痛は、無意識なストレスによるものだったのではないかと今になって思います。
友達がいるのに学校には行きたくない。その原因とは
どれだけ1人の時間が好きでも学校に行けばクラスメイトがいて、大勢が1つのまとまりで過ごすことは避けられないし、私は相手や周囲からの評価を気にするあまり、“他人の求める私”になって日々の学校生活を送ることが癖になってしまっていました。
そうやって無意識のストレスが重なり、窮屈な学校が苦しくて体が拒否反応を起こしていたんだろうなと思います。
繊細だから、周りより少し生きづらいのです。生きづらい中にいるより気持ちの楽な場所にいたいと思うのは当たり前だよねって、そんなことは今だから言えること。
もっと早くにHSPのことを知っていたら、あの時自分を責めたりせずに、ちゃんと受け入れてあげられたのになと思います。

学校に行かれなくなった時の対処法
このように、友達にいじめられているわけでもないのに、理由もなく学校に行かれなくなった私はどうしたかといえばとてもシンプルで、学校に行きたくないと感じた日には、学校に行かないようにしました。
ただただ自分の心と向き合って、正直にそれを両親に伝え、学校を休むという決断をしたのです。
きっかけは中学校の入学式翌日
私が小学生だった頃、「気持ちの問題!」と言い切っていた母に最初の変化があったのは、私が中学校に入学した翌日のこと。
いよいよ新たな学校生活が始まる!という中学入学から2日目に、私のHSP気質が大放出。(まだこの時には自分がHSPだと認識していませんでしたが)私はその時に初めて、勇気を出して「学校に行きたくない」と伝えたのです。
それまでも小学生のころに何度か「頭がいたい」「気持ちが悪い」と体調不良を訴え、学校を休んだり早退したりしたこともありましたが、なぜかその日は「学校に行きたくない」と伝えました。
すると母は、すんなり「じゃぁ今日は休めばいい」と言ってくれました。「学校を休む」という決断は、私にとっても母にとっても最終手段だったのは間違いありません。それなのに、あの時、母がすんなり「休めばいい」と言ってくれたのはなぜでしょうか。
自分の心と向き合い、素直に伝えることの大切さ
それまで、よほどのことがない限り学校を休ませてくれなかった母が、入学直後というとても大事な時期に「休む」という選択をさせてくれたのは、私が自分の気持ちに気づき、それを勇気をもって伝えたからではないかと思います。
こうした経験から少しずつ気づき始めたのは、自分自身の心の声に耳を傾けて、それを素直に伝えることはとても重要だということです。HSPの気質を持っているなら尚のこと。
このように書くと「それができないから苦労しているんだよ!」という声が聞こえてきそうですし、私自身も未だに日々葛藤をつづけていて、苦労しています(苦笑)
ただ、だからこそ、最近では次の3つのことを意識するようにしています。
HSPが意識すべき3つのこと
- 自分はHSPである。と、受け入れること
- 自分の心に耳を傾けることが大事であること
- 自分の気持ちに気づくことができたら、少しずつ、それを伝えること
HSCの子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら
この記事を読んでいる方の中には、ご自身ではなく、お子さんがHSCかもしれない……と思っている方もいるかもしれません。
そんなお父さん・お母さん方に伝えたいのは、もしお子さんが「学校に行きたくない」と言い出したら、まずはじっくり話を聞いてあげて欲しいということです。
大切なのは「問い詰める」のではなく、無心で「ただ聞く」こと
ただでさえ心が緊張しがちなHSC/HSPは、問い詰められると瞬時に心のシャッターがおりて、伝えることをやめてしまいます。そのため、お互いにフラットな気持ちで対話することがとても大切なのです。
これってズル休み?!わが子の不登校を阻止するには
「学校に行きたくない」「休みたい」と言われて大人が最も気になることといえば「休みグセがついて、そのまま不登校になってしまうのではないか……」「学校で(イジメなど)嫌なことがあるのではないか」ではないでしょうか?
しかしどんな理由にせよ、子どもが「休みたい」と言うのには必ず何らかの理由があるはずで、それを一番身近で信頼できる存在の両親から反対されるのは、子どもにとって大きな負担であることは間違いありません。
もしHSCのお子さんだとしたら尚のこと、頭ごなしに否定をすることは避け、丁寧に向き合うことこそが、より良い選択や決断をするための一番の近道になるはずです。
私は実際、母からの「休めばいい」という一言で、それから2日ほど学校を休みました。
入学直後に休んだ私が学校に行けるようになった理由
では、そのあとになぜ学校に行くという選択ができたかというと、好きなだけ休ませてもらったことで自然と気持ちが落ち着いたのだと思います。私はこの2日間を自由に過ごしたことで、その翌日には「今日は学校に行ってみよう」と自然と思えるようになっていました。(その後もしばしば頭痛などに悩まされましたが。)
これらはあくまで私の体験談でしかなく、たまたま私が不登校にならなかったというだけの話で、同じように接しても効果が見込めるかどうかは分かりません。正直なところ、不登校を阻止する方法などは存在しないのではとさえ思います。
どんな状況であっても「両親には自分の味方でいて欲しい」と思うのは必然で、無理に状況を変えようとしたり、急いで解決しようとしたりするほど、かえって解決が難しくなるのではないでしょうか。

まずは自分と向き合うところから。
私はHSPだということを隠しも恨みもしていませんが、自分がHSPで嬉しいかと聞かれても「はい嬉しいです」とは言えません。すぐに涙が溢れてしまうし、必要以上に不安を抱えたり、意味もないのに緊張したりなんて今もよくあることで、最近やっと「あぁHSP出ちゃってるな〜」と、繊細な自分を受け入れられるようになったところです。
今すぐに自分を受け入れるなんて到底無理なので、少しづつでいいんです。「私は繊細なんだから仕方ないでしょ」って、心の中でつぶやくことから始めましょう。
自分自身と向き合うって結構難しいんです。私もまだまだ向き合えていませんし。
まずは「自分の気持ちに正直に」そして「自分を責めすぎないこと」。
私はそれを目標に日々を生きることにしています。
このブログは、そんな私の海外留学記です。HSPである私が心の声にしたがってチャレンジを続ける様子をお伝えしているので、ぜひあわせてお読みいただけたら嬉しいです!